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AHECの合法性証明(RPP)

「AHEC合法性証明」について

2006年4月のグリーン購入法の改正に伴い、アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)が第三者機関に依頼し、米国東部・中西部地域で行った不法伐採についての調査結果に基づき、AHECが合法性証明を発行することが出来るようになりました。その合法性証明はグリーン購入法のガイドラインに沿っています。

>>2008年4月 記者会見
>>2009年1月 記者会見

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AHEC合法性承認まで流れ

以下はアルベルト・ゲッゼル氏の調査チームによる報告内容(一部割愛)です。
 「アメリカ広葉樹の合法性と持続可能性」のリスク評価 摘要および結論

背景

本研究および報告書はアメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)の委託を受けたもので、国際的に取引されるアメリカ広葉樹の合法性を確認するためのAHECの努力の一環である。一部の輸出市場、特に欧米や日本市場では、政府の調達政策が木材製品について合法的かつ持続可能な産地からのものであることを示すよう求めている。民間企業も同様の保証を求める傾向が強まっている。本報告書は輸出されるアメリカ広葉樹製品に違法な広葉樹材が混入するリスクを評価するものである。

多くの場合は森林認証制度が合法性や持続可能性を実証するものとして受け入れられているが、現時点では、認証林を産地とする米国産のアメリカ広葉樹製品はわずかであるその代わりとして、本研究は、アメリカ広葉樹製品が、所有権や伐採、そして持続可能な森林管理に関連する法規制を遵守していない可能性、すなわちリスクを評価するために適当かつ入手可能なデータを考察する。

本報告書の内容は森林認証に代わることを目的として提示されているのではなく、森林認証以外の受容可能な保証を求める調達政策に応えることを意図している。

本報告書の情報は米国でのアメリカ広葉樹の商業生産を対象としている。これはミシシッピ川東岸および以東の州に集中しており、わずかではあるが太平洋北西岸でも行われている。本書ではアメリカ広葉樹生産地域もしくはアメリカ広葉樹生産州と定義するのは北部、南部そして太平洋北西岸の33州だ。

この33州はアメリカ広葉樹生産の96%を占め、それぞれ比率こそ異なるが、アメリカ広葉樹製品輸出の一翼を担っている。我々アナリストは協同し、アメリカ広葉樹生産州における立木所有権、森林管理および伐採を管轄する法規枠組に関する総合的な情報を収集検討した。

さらに木材調達指針をいくつか選び出して参照基準として使い、アメリカ広葉樹材を評価した。本研究の主たる目的は次の通りである。

(1)アメリカ広葉樹地域における立木の明確な所有権および契約販売権を確約する法制度を説明、評価する。

(2)アメリカ広葉樹生産州における持続可能性の確保を目指した司法枠組みおよび政策枠組を説明、評価す。

(3)次におけるアメリカ広葉樹の供給状況を評価する。

  • (T)Forest Stewardship Council(FSC) Controlled Wood Standard;森林管理協議会(FSC)の「Controlled Wood(管理された木材)規格」
  • (U)PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification)森林認証の規定する、問題となっている産地からの原材調達を回避するための要件
  • (V)木材専門家機関であるCPETの策定による英国政府の合法的かつ持続可能な木製品調達指針

研究チーム

本報告書は、学界や環境団体、および政府、業界へのコンサルティングにおける知識と経験で高く評価されているアナリストの共著によるものである。Seneca creek Associates,LLCのAlberto Goetzl氏は天然資源経済学者で、コンサルタントとして、林業、市場および貿易問題に関し官民の顧客に助言を提供してきた。違法伐採が競争に及ぼす影響に関する2004年の氏の報告は、同テーマに関しもっとも広く参照されている文書である。

Paul Ellefson博士は森林管理に影響する規制や制度に関する最高権威。ミネソタ大学で教育と研究に当たっている。Phil Guillery氏は現在Tropical Forest Trustの北米プログラム担当ディレクタであり、FSCのコンサルタントやFCS米国理事の経歴を持つ。Gary Dodge博士はTrailhead Associatesでコンサルティングに携わる生物/生態学者であり、FSC森林管理基準のコンサルティングや、連邦レベルの土地管理省庁および保全団体における経験を有す。R.S.Berg&Associates,lnc.のScott Berg氏は森林認証専門家としてコンサルティングを行っており、SFI企画の規格の策定に参加し、またSFI、PEFC、FSC認証を目指す林業関連企業の事前監査、内部監査、外部監査に携わってきた。

違法伐採

何をもって違法伐採とするかの定義は様々であり、伐採のほか原木の輸送、加工、売買を含む一切の関連活動を対象とする全国および州/地方自治体法のあらゆる違反を含める幅の広い定義もある。我々は本研究の目的に鑑みて、次に記載する違法伐採活動の大きな区分2種類に焦点を当てた。

(1)盗伐および売買詐欺に関連する法的所有権および使用

(2)森林管理(すなわち持続可能性)に関連する法規則違反

児童労働や衛生および安全性といった所定の社会福祉問題は世界的に重要であることから、これらも取り上げた。他にもエネルギー、輸送、生産に関連して木製品の法適合性が検討できようが、我々は最も重要なのは盗伐および悪質な森林管理であり、それを制御するのは基本的に法であり規則であると考えている。

主たる結論および所見

(1)収集し分析したデータに基づくと、エビデンスは輸出されているアメリカ広葉樹製品が違法ソースからの木材を含有するリスクはごく低いことを明確に示唆している。

(2)立木所有権が良好に確立されており、かつ尊重されていると自信を持って言える。米国でのアメリカ広葉樹の約92%は私有林産である。土地所有者のほとんどは平均11ヘクタール未満という小規模な親族所有林となっており、名義に関する争い、立木の無断の取得や販売に関する紛議を解決するための司法手続きが数多く存在する。

(3)盗伐は存在しており、私有林所有者が懸念するところでもあるが、蔓延する問題、あるいは制度的な問題とは考えておらず、特に輸出されているアメリカ広葉樹製品についてはそう言える。アメリカ広葉樹生産地全域における違法伐採の程度は判断が難しく、多くの場合は届出もされていない。しかし、大半は比較的少数の本数のようである。盗伐および不法侵入事件で最も多い事例は、境界の表示が不明確な場合や境界線が争われている場合である。最も詳細な情報を有す州の記録に基づいて推定すると、ある程度の本数に達する盗伐件数は広葉樹地域では年間800件から1000件で、材積にして(針葉樹および広葉樹を含む)2万から2万5000立米が被害に遭っていると見られる。うち半分もしくはそれ以上が広葉樹としても、盗伐による原木量は米国のアメリカ広葉樹総生産量の非常にわずかな割合、おそらく1%にも満たないはずである。

(4)立木の所有権、管理および販売を支配する法的枠組は州によって大幅に異なる。各州が森林管理の異なる側面に対応する規制当局、非規制当局、制度を設けている。原資には限りがあり、効率および効果についても議論があるとはいえ、各州の制度は持続可能な森林施業の推進と堅持に取り組むものとなっている。全米および各州の森林制度は全体的に、持続可能かつ合法的な広葉樹供給の確保に貢献している。

(5)世界銀行が集積しているような国際的なガバナンス(統治)指標による比較では、米国が、法治や、環境、労働および国民福祉に関する効果的な法規制環境、腐敗水準の低さにおいて、高い評価を得ている国家であることが明確に示されている。

(6)現時点で公表されているデータ、そして州政府および木材製品業界から収集した情報によると、米国広葉樹業界の連邦および州の法規の遵守には高い信頼が置けると言える。

(7)米国からの再輸出品は温帯広葉樹輸入材をほとんど使用していない。大半の広葉樹輸入品は、米国と同様の厳しい総治制度を有すカナダからのものである。非常に稀に、また少量において、中国、ロシア、南米からの温帯広葉樹輸入があるが、一般的には再輸出されていない。

(8)混合材製品の非認証部分に適用するFSC-森林管理基準(FSC-STD-40-005)で回避すべきとされている5つのリスク区分も検討した。これらの区分は以下の通りである。

  • (T)違法伐採された木材
  • (U)伝統もしくは公民権に反して伐採された木材
  • (V)森林管理活動が高い保全価値を脅かしている森林から伐採から木材
  • (W)造林もしくは非林業目的に転用される森林から伐採された木材
  • (X)遺伝子を組み換えられた苗木を植えられた森林から伐採された木材

米国のアメリカ広葉樹生産州内から調達する広葉樹である限り、この5つのリスク区分全てにおいて低リスクであることを、我々は大いに確信している。しかし、この結論に反する些少な事件は、まれではあるが、単数あるいは複数のリスク区分において起きており、こうした事件が発生した地域では、同地から調達する企業がより詳細な評価を行うべきである。しかしこうした事件の程度は我々のFSCの基準および規定の解釈においては低リスクの最小値内であると判断する。

(9)我々はアメリカ広葉樹がPEFC森林認証制度のCoC基準の定義するところの、疑わしき生産地から生産された危険性は非常に低いことを強く確信している。

(10)我々は法規制であるか否かを問わず、連邦および州の制度に関する情報を包括的に集積した。これは盗伐および持続可能な森林管理に関するプログラムの枠組と効果を説明するものである。このエビデンスは全体としてみると、CPETのB類要件の下で、「認められた認証スキーム以外のプログラムおよびイニシアンチブ」からのエビデンスとして適格である。

(11)合法性および持続可能性の課題に関与する様々な法規制および規制外プログラムの範囲におよび効果に関連する(すなわちCPETの条件につながる)複数の項目を評価したところ、アメリカ広葉樹生産地域の全州が低リスクの範囲であった。

(12)最後に、違法行為や森林経営不良に対し、連邦および各州レベルの規制や制度というセーフティネットが存在することから、合法性を実証するトレーサビリティや第三者によるCoCまたは森林管理認証は、米国で生産されるアメリカ広葉樹製品にとって必須の条件ではないであろう、と結論する。

米国の広葉樹材資源(報告書2.0項)

米国の森林に関する統計情報は、米国農務省林務部がForest Inventory and Analysis(FIA)制度の下で集積している。そのデータは非常に信頼性が高い。FIAデータによれば、米国のアメリカ広葉樹資源は広く分布しているうえ広範囲に渡っており、直近的にも将来的にも下降するリスクはない。アメリカ広葉樹の年間成長量は33州のそれぞれにおいて、伐採量を大きく上回っている。その比率はほぼ2対1であり、森林蓄積量はここ50年間、一貫して増え続けてきた。個別には森林面積が減少した州もあるが、総合的には過去50年間の間安定しており、実際に1987年からは3%増大している。州データ、地方データ、そして全米ベースのデータでは、林地の転用や伐採が年間成長量を超えているような地域の状況が見えない可能性はあるが、全体として不安を呼ぶような傾向は見られない。これは、レッドオーク、ホワイトオーク、ウォルナット、チェリーといったアメリカ広葉樹を樹種別にFIAデータ利用して分析した場合でも同様である。

評価と報告手段

最後に、本研究チームはAHECメンバーを支援するため、違法に生産されたリスク、ならびにControlled Wood規格に抵触する林や問題の森林から生産されたリスクが低いことを裏付ける経営を評価し、文書化するための森林持続性自己評価ツールを開発した。メンバーには自由に使用していただけるもので、(調達および認証制度に定義されるところの)合法的かつ問題のない調達に関し、自らのサプライチェーンを検証し、文書化したいと考えている企業の手引きとしてご活用いただくことを意図している。本ツールは本報告書の別添資料のひとつとして提供する。

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グリーン購入法

グリーン購入とは、製品やサービスを購入する際に、環境を考慮して、必要性をよく考え、環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入することで、購入者自身の活動を環境に優しいものにするだけではなく、供給側である企業には環境負荷が少ない製品の開発を促すことで、持続的発展が可能な社会の構築を目指しています。

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調査研究チーム

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