アメリカ広葉樹の「合法性と持続可能性について」記者発表会 2008.04.

記者会見するAHEC首脳

  アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)日本事務所は4月23日(水)東京都内のホテルで、「アメリカ広葉樹の合法性と持続可能性について」の記者発表会を開催しました。業界新聞を中心に雑誌や一般紙を含めた記者の方々20名の参加があり、さらにオブザーバーとして林野庁および木材業界関係から26名が出席。関係者を含めると約50名に及ぶ記者会見となりました。一昨年4月のグリーン購入法の施行後、環境保全や森林保護に対しての関心が益々高まる現状が認識できました。

  会見は米国大使館農務担当公使のバーマン氏が挨拶を行った後、アメリカ広葉樹輸出協会会長のピーター・キングより「アメリカ広葉樹業界の現状と輸出業者の展望」と題したプレゼンテーションが行われました。アメリカ広葉樹林の71%以上が個人所有の森林であることや米国で生産される製材の約90%がそのような個人所有者から供給された原木を使用しており、しかも毎年別の所有者から生涯に1本または2本という少数の原木が持ち込まれるため、コストのかかる森林認証制度が普及しないと考えられるが、認証を取っていないからといって管理がなされていない森林から出材されているのではないとの考えを述べた。

  続いて、アメリカ広葉樹輸出協会専務理事のマイケル・スノーより「環境政策、違法伐採、貿易とアメリカ広葉樹業界」と題して、木材を使用することによって他の素材を使うよりも環境的に優しいこと、また今回のテーマである違法伐採に触れ、政策的に合法的事業者がコスト的に優位に立ち、また違法事業者がマーケットにアクセスできなくなり、違法な操業が発覚した場合のリスクを大きくするような方針が必要で、合法証明プロセスの煩雑さを取り除き効率化することの必要性が説明されました。


日本の各報道機関

  そして今回のメインテーマである「アメリカ広葉樹の合法性と持続可能性のリスク評価」の報告がセネカ・クリーク・アソシエイツのアルベルト・ゲッゼル氏より発表されました。アメリカ広葉樹輸出協会が2007年11月に米国東部・中西部地域でのアメリカ広葉樹の合法伐採についてのリサーチをゲッゼル氏を中心とする調査研究チームに依頼、それを受けアメリカ広葉樹の合法性や違法伐採の現状の報告がまとめられました。

  この調査はミシシッピー川東岸及び以東の州を中心とした33州(アメリカ広葉樹生産の96%を占める)で行われ、米国で確認された盗伐及び違法伐採は、蔓延する問題や制度的な問題としては考えておらず、ほとんどの場合個人が所有する森林の境界線の不明確さによるものが多く、しかもそのような木材が国外に輸出されるケースは1%にも満たないと報告されるなど、アメリカ広葉樹材の合法性が示されました。

  プレゼンテーション後の質疑応答では記者の方々から質問がなされ、続いてバーマン公使邸で和やかに行われたレセプションの中でも、引き続き森林認証や合法性についての活発な意見交換されていました。

  なお、今回ゲッゼル氏の調査研究チームによってまとめられた調査報告書が必要な方は弊協会までご連絡ください。無料でお送りします。