アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は2026年3月31日、大阪市内のセントレジス大阪において、6年ぶりにアメリカ広葉樹懇談会を開催いたしました。会場には木材輸入業者、フロアメーカー、突板メーカーの代表者9名が出席し、12時より昼食懇談を行った後、12時45分から14時30分まで意見交換および情報共有の場を設けました。
本懇談会には、米国AHEC本部より専務理事マイケル・スノー氏および国際プログラムマネージャーのトリップ・プライヤー氏が出席し、米国広葉樹業界を取り巻く最新の状況ならびに国際市場の動向について説明が行われました。これにより、日米の業界関係者が率直に意見を交換する有意義な機会となりました。
会議ではまず、AHEC日本代表より、2025年における米国産広葉樹原木および製材の輸出統計について報告がありました。特に、中国向けに輸出されていたウォールナット原木がベトナム向けへシフトし、同国で製材された後、中国等へ再輸出されている流通構造の変化が指摘されました。その影響により、米国内におけるウォールナット原木の調達環境が厳しさを増している現状が共有されました。
また、米国内では広葉樹製材の生産量が長期的に減少傾向にあり、住宅着工数の増減と広葉樹製材需要が必ずしも連動しない構造的変化が生じていること、さらに木材以外の素材との競争が一層激化していることについても説明がありました。
一方で、森林資源は依然として重要な資産であり、広葉樹需要の維持・拡大は、持続可能な森林管理の観点からも極めて重要であることが強調されました。適切な伐採および利用は、森林の健全な更新を促すとともに、山火事等の森林災害リスクの低減にも寄与します。また、木材はCO?を吸収・固定する素材であることから、地球温暖化対策としても重要な役割を担う旨の説明がなされました。
さらに、日本市場の現状については、参加した木材輸入業者より、住宅関連需要の低迷に加え、国産材および欧州材との競合が一層強まっているとの指摘がありました。とりわけフローリング分野においては、ホワイトオーク、ウォールナット、メープル、チェリーなど各樹種の需要動向に関し、濃色材からやや明るい色味の材への嗜好の変化が見られることが報告されました。また、価格、意匠性、加工適性を踏まえた代替提案が進展していることなど、実務的観点からの意見交換が行われました。
家具・木工分野においては、国産材の使用比率が高まる一方で、アメリカ広葉樹の品質、表情および樹種の多様性に対する評価が改めて共有されました。
加えて、AHEC側からは、ベトナム、中国、中東、欧州等を含む国際流通の変化や、EU森林破壊防止規則(EUDR)への対応状況について説明が行われました。AHECが推進する保証およびトレーサビリティに関する新たな取り組みも紹介され、アメリカ広葉樹の合法性、持続可能性および供給の透明性の確保について、参加者の関心が寄せられました。
日本側からは、足元の厳しい市場環境を踏まえつつも、将来を見据えた日米連携の重要性が改めて確認されました。
AHECは今後もこのような対話の機会を通じて、米国広葉樹業界の最新情報を提供するとともに、日本の木材流通および加工分野との連携を強化し、持続可能で付加価値の高い木材利用の推進に努めてまいります。 |