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アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は2024年11月26日、東京都千代田区の帝国ホテル東京で「アメリカ広葉樹インテリアデザインセミナー」を開催しました。

米国大使館農務部貿易事務所所長エリック・ハンセン氏 |

AHEC日本代表・辻隆洋 |
セミナーは米国大使館農務部貿易事務所所長エリック・ハンセン氏の挨拶、続いてAHEC日本代表の辻隆洋が登壇しアメリカ広葉樹の合法性、持続可能性、カーボンストレージ機能について最新データをもとに解説しました。森林資源の持続的な増加や環境に配慮した木材利用の重要性が紹介され、米国東部の広葉樹林について初めて聞くという参加者も多く、大変関心を集めました。
アメリカ広葉樹が持続可能で環境にも配慮された木材であることが説明された後、その材を実際に日本の建築や家具に活用されている建築家の川村弥恵子氏と井上隆雄氏が続いて登壇されました。
川村弥恵子氏(TAO建築設計 代表取締役)は「私と木とのつきあい方」と題して講演。自身が設計した自宅兼オフィス「モミジノイエ」を中心に、広葉樹を活用した建築デザインの実践例を豊富なスライドとともに紹介。川村氏は「広葉樹は硬く、色が多彩で、塗装すると木目が美しく浮かび上がるのが魅力」と語り、ウォルナット、ホワイトアッシュ、ナラ、タモ、エンジュ、チークなど様々な樹種を内装に用いて設計。「モミジノイエ」では木製サッシにホワイトアッシュ、フローリングにナラ、階段や天井、壁、家具、建具にはタモを使用し、床暖房では温水導管によるコールドドラフト対策と夏の断熱性能を両立する設計を取り入れ、自然素材の心地よさと快適性を追求。

川村弥恵子氏(TAO建築設計 代表取締役) |

井上隆雄氏(広島県府中市・若葉家具 代表取締役) |
川村氏は自身の家具デザインをしていた経験から「家具の精度はミリ単位。ねじ一本も1ミリ、3ミリで違いが出る。その精度を建築にも持ち込むことで、設計の質が格段に上がった」と語り、家具づくりの経験が建築デザインに新たな視点をもたらしたと振り返りました。さらに、無垢材を住宅に用いる際には「極端な温湿度環境を避け、固定しすぎず、木の動きを許容する」ことが重要と説明。「人にとって心地よい環境は、木にとっても心地よい」と独自の木の哲学を語りました。
続いて広島県府中市の若葉家具 代表取締役 井上隆雄氏が登壇。同社が「箱物家具」中心の製造から「脚物家具」へのシフトに挑戦した背景と成果、歴史を織り交ぜて説明いただき、2021年からデザイナー小泉誠氏とともに開発した「HIROSHIMA WOOD」シリーズでは、アメリカ広葉樹の美しい木目と堅さを活かした椅子やテーブルを展開。「脚物家具は構造的強度やデザイン性、加工精度が求められる。素材の特性を理解し、木の癖を読むことが大切」と井上氏。自社工場での新たな技術開発や、地域材との組み合わせによる新商品開発、さらに海外市場も視野に入れた展望について意欲的にすすめるとのことでした。
「デザインの幅が広がり、素材感が具体的にイメージできた」といった声も寄せられ、アメリカ広葉樹の魅力を知っていただく機会になりました。アメリカ広葉樹輸出協会では今後も日本市場に向け、広葉樹の多彩な魅力と最新情報を発信し、持続可能で美しい空間づくりを支援する活動を続けていきます。
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