 東京で開催された「ウォールナット懇談会」
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アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は2024年3月、東京国際家具見本市に合わせて、東京都江東区のヒルトン東京お台場で「アメリカンウォルナット懇談会」を開催しました。懇談会には、日本国内の広葉樹問屋、家具メーカーなどが参加。米国からは、アメリカンウォルナット製造者協会(American Walnut Manufacturers Association)代表のブライアン・ブルックシャイア氏が初来日し、「米国のウォルナットの歴史、資源状況と輸出の現状」などの説明、そのあとウォルナットの需要を巡る問題点などの意見交換が行われました。
懇談会では、米国におけるウォルナットの供給や流通の現状、為替の変動が輸出価格や国際取引に与える影響、さらに欧州やアジア諸国をはじめとする国際市場での人気動向などについて、ブルックシャイア氏が具体的なデータを交えながら解説しました。特に、世界的な需要の高まりが価格高騰を招き、日本市場でも安定供給への懸念が高まっている現状を踏まえ、持続可能な供給体制の重要性が強調されました。

ブライアン・ブルックシャイア氏 |

トリップ・プライヤー氏 |

八重樫氏 |
また、日本側からは家具メーカーや広葉樹問屋が、自社の取り組みや現場の課題を共有。「ウォルナットの安定供給に不安がある」「品質の均一性を確保する仕組みが求められる」といった声が挙がり、サプライチェーン全体での課題解決に向けた意識が高まりました。一方で、ウォルナットの魅力もあらためて確認され、「木目の美しさや深みのある色合いは、日本のインテリア市場でも根強い人気がある」との評価も多く寄せられました。
さらに、AHEC日本代表の辻隆洋より、アメリカ広葉樹全般の合法性や持続可能性、カーボンストレージ機能に関する最新データを紹介。米国の森林資源が持続的に増加していること、合法伐採が徹底されていることなどが説明され、参加者の間で持続可能な木材利用への理解が一層深まりました。
この懇談会の様子は、4月5日発行の『HOME Living』(7面)でも取り上げられ、記事では、参加者から「現場の意見を直接伝える貴重な機会だった」「供給側と需要側が率直に意見交換でき、今後の関係強化につながる」といった評価が紹介されています。また、ウォルナットを活用した家具製品や住宅内装の国内展開の可能性にも触れられ、今後の需要拡大への期待が寄せられています。
AHECでは今回の懇談会を「日米の木材業界関係者が現状の課題と今後の方向性を共有する有意義な機会」と位置づけており、今後もこのような交流の場を継続的に設けていく方針です。引き続き、日本市場に向けてアメリカ広葉樹の魅力や最新情報を発信し、持続可能で美しい空間づくりを支援していきます。
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