Topics 「アメリカ広葉樹内装材専門家会議 in 東京」を開催
アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は2023年2月7日、東京都内にて「アメリカ広葉樹内装材専門家会議」を開催しました。(公社)日本建築家協会・関東甲信越支部住宅部会所属の建築家7名、アメリカ広葉樹を取り扱う木材会社5社の代表者5名、アメリカ広葉樹輸出協会メンバー会社1名と米国大使館農務部より3名の計16名の出席で下記の3つの議題について率直な意見交換が行われました。

1) アメリカ広葉樹内装材の流通問題
2) アメリカ広葉樹内装材の施設問題
3) 日本市場でのアメリカ広葉樹内装材の需要拡大方策

多くの建築家がウッドショックや流通の問題で価格の高騰を感じる中、まず入手方法についての質問がありました。建築家からはアメリカ広葉樹を含む木製窓や建具を使いたいが住宅性能の高気密高断熱化が進み隙間風やそりの問題などが有り、アルミサッシや玄関扉などには既製品を使うことがほとんどとの意見が。

その一方で木材問屋のサポートを受け、図面を書く前にサンプル材を見ることでホワイトオーク、チェリー、ウォールナットを内装材に使用出来た建築家事務所もあるとのこと。お互いのコミュニケーションを深めることで、その時の市場を見極めた情報を適切に得ることができれば、アメリカ広葉樹を内装材として使用できる可能性が増えるのではとの意見がでました。当協会からのアドバイスとしては、木製内装の手配は工務店に任せにするのではなく、是非建築家と木材会社で密に連絡を取り合っていただきたい。

また昨今通販で建材を探す人も増え、安い輸入建材会社が検索の上位に挙がってくる場合が多く、連絡を取ってもサンプルが入手できなかったりする。この場合も是非この会議に参加されている木材会社に連絡を取ってサンプルの送付を依頼して頂きたい。

施工の問題については施工後の「そり」や「動き」だが、港に入ったばかりのアメリカ広葉樹製材の含水率は7〜8%で過乾燥気味である。よって、その材を調湿し含水率を17〜18%ほどに戻している木材会社は今までフローリング施工でクレームは出ておらず、さらにそのフロアーを納めた物件の現場監督ともコミュニケーションを取るなどきめ細やかな対応を心がけておられる会社もあり、価格だけで判断するのではなく木製内装材のことを熟知している木材会社から購入することが重要である。

最後の議題であるアメリカ広葉樹内装材の需要拡大については、昨年の建築基準法の改正で大規模木造建築の設計緩和が促進され、高層建築や公共建築物を木造にする事例も増えてきている。今後は建築家と木材会社が直接コミュニケーションをすることで用途も広がり、樹種の特性や市場の価格をタイムリーに得ることが出来れば、アメリカ広葉樹を使用する機会がさらに増えるとの結論に達しました。