アメリカ広葉樹テクニカルワークショップ in 旭川
旭川で開かれた「テクニカルワークショップ」
2019年6月17日(月)、北海道旭川市内のホテルにて、「アメリカ広葉樹テクニカルワークショップ」が開催されました。 2017年に福岡県柳川市と静岡県静岡市で開催した「アメリカ広葉樹製材等級格付ワークショップ」がバージョンアップ。
米国領事館の担当官
NHLAスペーサート氏
ウィスコンシン大学林産学部教授ボウイ氏
今回はアメリカ広葉樹製材の人工乾燥のスペシャリストであるウィスコンシン大学林産学部教授のスコット・ボウイ氏が初来日され、沢山の写真と共に木材の人工乾燥についてのお話しをしていただきました。
そして、全米広葉樹製材協会(NHLA)の主席等級格付検査官を務めるディナ・スペサート氏からは「米国広葉樹市場に基づく最新の広葉樹製材等級格付けと等級格付の実技」と題して等級格付についてスライドで一通り説明した後、旭川市に本社を置く(株)昭和木材よりお借りした実際のアメリカ広葉樹製材を使用して製材の見分け方、測り方、計算方法、等級の付け方について等級格付け専用のルーラーで実践説明をして頂きました。
等級格付については6か月かけて学ぶ内容ですのでかなり掻い摘んだものの、参加された皆さんは大変興味深くその実技を見学されている様子でした。
スペーサート氏による製材の見分け方、測り方、計算方法、等級の付け方について等級格付け専用のルーラーで実践説明
20年に及ぶ研究を分かりやすく説明するボウイ教授。参加者からの質問に答えるボウイ教授とスペーサート氏
休息を挟み「優れた人工乾燥によるアメリカ広葉樹製材」と題したスコット氏の講演では、米国での人工乾燥方法、乾燥の程度をどのように確認しているのか、乾燥過程で発生するステインと呼ばれるしみについて、そして最後に真空乾燥の紹介など、多岐に渡って専門的な内容をお話しいただきました。
同氏が20年に及び大学で研究を重ねた内容を分かり易く解説いただき、ステインには大きく3種類に分けることができ、ミネラル、菌類または乾燥時の外的要因などによること。製材はバナナと一緒で生もの、メープルなどの木肌の白い材は生木をできる限り早く人工乾燥することや空気の流れ、温度、湿度をコントロールすることによって上質な乾燥材を作り出すことができるなど、それぞれの工程や結果の写真を紹介いただきました。
旭川で製材さらには人工乾燥をしている木材会社にとって、情報量の多いワークショップになったのではと思います。
ワークショップに参加されたみなさん