公共物におけるアメリカ広葉樹エコ・インテリア・プロジェクト懇談会

  2005年4月6日、大阪市住之江区平林・南港地区でアメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)日本事務所が新たに取り組んでいる「公共物におけるアメリカ広葉樹エコ・インテリア・プロジェクト」に使用するアメリカ広葉樹製材が米国から大阪港に着いたのを機に、プロジェクト関係者による木材の視察と懇談会が開催されました。

  視察会ではAHECメンバーが寄贈した製材を実際に見て触れることで、より具体的にエコ・インテリアに対するイメージが膨らみ一層関心が高まったようでした。引き続いての懇談会では、まさに川上から川下までのプロジェクト関係者が一堂に会し、それぞれの立場から熱意が感じられる活発な意見交換の場となりました。

  今回のプロジェクトは京都府舞鶴市内にあるルンビニ保育園の内装(腰壁、階段、巾木、床材)にキャラクターマーク(節、色違等)を含んだアメリカ広葉樹材を実際に使用して頂き、その施工例を日本の建築家・デザイナーさらには一般消費者にプロモートすることで、木材の有効利用やアメリカ広葉樹の本当の良さをより広く認知して頂くことを目的としています。

  施主であるルンビニ保育園副園長の楠崇智氏からは木質系内装材が子供に与える良い影響に期待が寄せられ、設計を担当している建築家の國吉公一氏はその保育園側の思いを酌んだ設計を魅力的かつ機能的にデザインされました。

  また、建設・施工の立場から鶴美建設(株)、(株)西建と(株)古屋建築の方々の技術的な支援、さらには米国からの寄贈材の通関処理や搬送に御協力頂いた(株)新宮商行と三井物産林業(株)、木材加工を担当される(株)山王の協力があってこそ、このプロジェクトは実現するもので、供給側と使い手の意見が丁寧にすり合わされ理解を深める場となりました。

  米国から参加したアメリカ広葉樹輸出協会専務理事のマイケル・スノーからは木材資源の有効利用、環境と利用の調和の考え方等、自然の恵みであるアメリカ広葉樹のキャラクターマークを含んだ材を使う工夫が環境保全にもつながり、今回のような川上側と川下側が抱える問題点を率直に意見交換することで、さらなる新しい木材の利用方法が考案される木材のルネサンスが起こるだろうと述べました。