「プレスミッション to U.S.A.」 2009.10
アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)日本事務所では、マサチューセッツ州ボストン市内で2009年10月2日開催されましたAHECの年次総会に併せ、プレスミッションを9月29日から10月3日の日程で派遣しました。日本の木材・家具業界紙の記者3名と共に、2006年よりアメリカ広葉樹の合法性証明について議論を重ねてきました農林水産省林野庁林政部木材利用課の分析官にもアメリカ広葉樹業界視察を兼ね総会に参加して頂きました。


今回の年次総会が米国東北部のボストン市内での開催ということもあり、一行にはマサチューセッツ州のハーバード大学森林研究所内のアメリカ広葉樹林を歩きながら森林管理についての説明を受けて頂き、バーモント州のセルソシモ・ランバー社の製材工場見学、そしてセルソシモ・ランバー社の自社林で実際の伐採現場を視察し、森林管理をするフォレスターから育成や計画伐採の説明を聴いて頂きました。

アメリカ広葉樹の伐採は専門知識のあるフォレスターがまず伐採プランを作成し、州政府からの承認を得て、その立木一本一本にマーク付けをします。専門の伐採業者は、その立木を大型の伐採機と搬送機を駆使して一日約60m3程度を伐採していきます。伐採した丸太の情報は彼らが伝票に詳細を記入して伐採現場の横に設置されたポストに投函、次にその丸太を搬出するトラック運転手によってその伝票が製材工場に届けられます。

もしその丸太が個人所有林から伐採された場合は、その伝票の情報をもとに所有者に伝える仕組みが取られています。

アメリカ広葉樹林の約70%以上が農家などの個人所有の森林であるため、このシンプルな伝票管理が追跡を可能にしており、立木一本一本をしっかりと管理しています。

さらに、ニューハンプシャー州にあるノースランド・フォレスト・プロダクツ社を訪問し人工乾燥の方法や等級格付、レーザーを使用した寸検などについての説明を聞いて頂きました。

米国東北部でのアメリカ広葉樹業界視察を終えた一行は、10月2日ボストン市内でのAHEC年次総会に出席。

その総会では日本のグリーン購入法と合法性証明がなされたアメリカ広葉樹製材の輸出についてのプレゼンテーションと質疑応答が行われ、AHECメンバーも改めてAHECの合法性証明(RPP)の合理性と有効性を認識することができました。

今回のプレスミッションはタイトなスケジュールではありましたが、百聞は一見にしかずで、アメリカ広葉樹材を理解して頂けた実りあるミッションとなり、今後もアメリカ広葉樹の本当の良さを日本のユーザーにお伝えしていければと思っています。

このAHECのRPPは2009年1月に日本の改正グリーン購入法のガイドラインに沿った証明であることを林野庁が確認されてから、米国はもとより欧州でも大変注目を集めています。