第5回アメリカ広葉樹国際会議、東京で開催

 2007年4月25日(水)、ANAインターコンチネンタルホテル東京にてアメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)主催の「第5回アメリカ広葉樹国際会議」が雨の降る中、約120名を超える参加者で盛況に開催されました。

  今回の国際会議では、まず午前の部としてAHEC側よりアメリカ広葉樹輸出協会専務理事のマイケル・スノーが「米国の広葉樹資源―未来に向かっての計画」と題し、アメリカの広葉樹業界の自然保護や環境問題への取り組み、さらにはアメリカ広葉樹が次世代へと繋ぐ安定供給可能な木材資源であるための計画について説明を行いました。 次に、イギリスから来日しましたForest Industries Intelligence Ltd.のルパート・オリバー氏が「グリーンビルディング(環境共生型建築物)と世界の木材資源」と題し、現在注目を集めています欧州での森林認証制度の実情やその取り組み、そして世界規模での環境問題等について講演をしました。

  昼食をはさみ午後の部は日本側から、インテリアデザイナーの小泉誠氏(Koizumi Studio)と関洋氏(セキデザインスタジオ)を迎え、「デザイナーが考える木の生かし方」と題して、いままでとは違う観点から考えた木材の使い方やデザイナーとしての木に対する思いなどを両氏の対話形式で講演していただきました。

  その後、2004年から2006年までアメリカ広葉樹輸出協会日本事務所が展開してきました「エコ・インテリア・プロジェクト」の施工例(公共施設部門、住宅部門、商業部門)を紹介し、実際にその物件に携われた建築家や工務店の3名の方々をスピーカーとしてお招きし、アメリカ広葉樹材エコ・インテリアの使用例や施工方法など、そしてそれぞれの建築物のコンセプトなども織り交ぜ、スライドやビデオを使って説明いただきました。

  最後に日米の建築家5名、日本のフロアーメーカー1社、木材輸入問屋3社とAHECメンバー3名がパネリストとして参加した「アメリカ広葉樹懇話会」を行い、アメリカ広葉樹の有効利用、流通での問題点さらには今後のアメリカ広葉樹輸出協会の日本でのプロモーションについて議論し、それを参加者全員に聴取して頂いき、日本でのアメリカ広葉樹の現状を把握して頂きました。

 一日掛りの会議となりましたが途中退席される方も少なく、その後の懇親会にもたくさんの方々が参加され各々で意見交換をされていました。

  今回の会議に参加された方々からは、「初めて米国での森林への取り組みを知ったので、これからの環境保護の観点からも機会があればアメリカ広葉樹を使用してみたい」との御意見等をいただいた一方で、日本国内での流通の複雑さなどの問題点への指摘もありました。

  今後もアメリカ広葉樹輸出協会日本事務所としては的確な情報を日本の建築家やデザイナーさらには流通に携わるにも方々に発信できるよう努めていきたいと考えています。

  なお、2001年〜2006年の6年間のエコ・・プロジェクトの総集編として、この度新しく「アメリカ広葉樹エコ・プロジェクト・ハンドブック」を出版しました。アメリカ広葉樹の有効利用についての説明、エコ・プロジェクトに参加された方々の意見等を収録しており大変興味深い参考資料です。

  また、講演に使用しました小泉氏と関氏の作品事例集も無料配布しておりますので、ご希望の方はアメリカ広葉樹輸出協会のホームページwww.ahec-japan.orgにアクセスして頂き、「お問い合わせ・資料請求」のページよりお申込ください。 数に限りがありますので、予定部数を終了の際はご了承願います。 (2007.05)