アメリカ広葉樹製品を肌で実際に感じてみよう!/建築家を輸入問屋の倉庫へ案内

■新宮商行(東京・新木場)と山王木材(静岡)訪問


  去る10月13日(木)、日本建築家協会(JIA)関東信越支部・住宅部会とアメリカ広葉樹輸出協会との共催で「第2回アメリカ広葉樹見学会」が行われました。30人の建築家に参加いただき、東京・静岡の木材輸入問屋の倉庫を視察後、富士山の麓、御殿場市内の(社)倫理研究所を訪問しました。

  まずは東京・新木場にある(株)新宮商行の倉庫を訪問。アメリカ広葉樹製材を扱う同社のたくさんの在庫の中から、数種類のアメリカ広葉樹をバンドル毎に見せていただきました。

  叶V宮商行木材部の深澤氏、益田氏によりそれぞれの樹種の特長や取り扱い方、また、施工の最適な方法まで、普段から木を扱っているエキスパートとしての熟知した丁寧な説明をしていただきました。参加者からは、材の厚みや長さに関する質問や、どうすれば低価格で適材を入手できるのか、最小ロットや金額、入手方法など具体的な質問が飛び交い、真剣にメモを取られる姿が大変印象的でした。その後一路静岡へ。

  且R王・静岡支店では、加工また輸入されたフローリング材に、実際に足で体感できるようご用意いただきました。

  大きな倉庫内やギャラリーを静岡支店長の石黒氏や社員の方々に案内していただき、木材を有効利用する為には、材を乱幅で使用したり、長尺のみをオーダーするのではなく適材適所に樹種を使い分けることによって歩留まりを上げ、低コストにする結びつける方法や詳しい加工工程をご説明いただきました。

  参加者の中には、実際のフローリングに裸足で上がり、いろんな樹種の木の感触を確かめておられました。フローリングと言う製品になっていた為か、すぐにビジネスの具体的なお話も進んでいたようでした。木材輸入問屋の方々からは、直接建築家や施主と話をする機会がなく、極小ロットでの販売・配達など要望に応えるられるケースもあると思うが、なかなか直接意思疎通できないとの問題点が挙がりました。

  また、理解していただきたいのは、木は自然のものなので現地での気候状況などの影響で、その年に多く出荷される樹種や同じ樹種でも色合いが変わるので、できれば建築家の方からもその都度どんな材が今手に入るのかなど質問があればどんどん聞いてほしいという意見がでました。

  一方、建築家の方からも、木材を指定する場合、工務店などにオーダーすることが多く、そこで木の情報がストップするので、もっと情報を建築家サイドにも発信してほしいというお話でした。

  最終目的地の(社)倫理研究所視察では、実際にこの建物の構造部分を設計された構造家の方から詳しい内容を説明いただきながら見学しました。米松大断面集成材で構成された軸組みは大変美しく、これからアメリカ広葉樹が構造材としても使用できるのではないかという参加者から将来のアメリカ広葉樹の使用方法の可能性を指摘する声も上がりました。

  アメリカ広葉樹輸出協会では、このような機会を通じてより一層アメリカ広葉樹に対する理解を深めていただき、適材適所に有効利用していただけるよう努めていきたいと考えております。