アーキテクトセミナー「空間への木材の有効利用と活用方法」開催

  6月10日、大阪市内のホテルにて「アメリカ広葉樹建築家セミナー」を開催しました。今年もこの建築家やデザイナーを対象としたセミナーには約100人近い建築家やデザイナー、住宅業界さらには木材業界の方々にご出席いただきました。

 今回のセミナーには講師として、日本側より南海特急「ラピート」を設計された若林建築設計事務所の若林広幸氏、米国より建築家・ジョナサン・ダイシャー氏(ペンシルベニア州)とアメリカ広葉樹輸出協会理事の中村隼人(アリゾナ州)を迎え、空間での木材の有効利用と活用方法についてたくさんの事例スライドで講演していただきました。またアメリカ広葉樹林の適切な森林管理法やアメリカの木材資源に対しての取り組みなどの説明もあり、益々注目が高まりつつある木質系内装材の新たな可能性を見出すきっかけになったセミナーでした。

  米国より来日されたジョナサン・テイシャー氏の講演では、代表作のひとつとされるペンシルベニア州立大学の「Eastview Terrace」のスライドを中心に商業建築から一般住宅まで幅広いアメリカ広葉樹の内装事例を紹介いただきました。特に普段見ることのできないキリスト教プロテスタント・シェーカー教の一派であるアーミッシュの人々の木材利用法や伝統家具、内装事例の数々は、シンプルな中にも機能性やモダンさが備わった、健康的で天然の素材を基本とした古さや簡素さが現代人に心地よさを感じさせ、エコロジーを守ることに繋がると語られました。

  一方、建築家の若林広幸氏の講演では、バブル期からの大変ユニークな若林氏ならではの感性とセンスが光るプロジェクトから自然との調和を意識した大小様々な木造建築物や木質内装のプロジェクトに取り組んだ作品をその建物のもつメッセージや歴史を形に表現した作品などたくさんのスライドを使用してコンセプトから完成までのいきさつを織り交ぜながら楽しく講演していただき、参加者も次々と変わるスライドに夢中といった感じでした。「木は使い込むほどに味がでる」と語られ、実は若い世代の木に対するあこがれは根強い」と学生が設計した京町屋の監修にも積極的で、認証制度にも関心を寄せておられました。

  アメリカ広葉樹輸出協会側からは、理事の中村隼人がアメリカ広葉樹の適切な森林管理、またそれにより安定供給可能な木材資源であることなどを説明しました。

  今回のセミナーでは、大量のスライドが各講師より紹介され、参加者からは一度にこれだけ多くの作品を見るチャンスはなかなかなく、大変勉強になったとの意見もいただきました。セミナー後の懇親会でも各講師は息つく暇もなく次々と参加者との対話を楽しまれておられました。アメリカ広葉樹輸出協会では、これからも木材の有効利用と活用方法をたくさんの建築家やデザイナーに知って頂く為、いろいろなプロモーションを通してアメリカ広葉樹の魅力を皆様に伝えて行くことを考えています。

  なお、講師の若林氏とタイシャー氏が講演に使用しました作品事例集をご希望の方に無料でお送りいたします。アメリカ広葉樹輸出協会のホームページwww.ahec-japan.orgにアクセスして頂き、「お問い合わせ・資料請求」のページよりお申込ください。